
近年、「お墓の引っ越し」や「永代供養」など、従来の埋葬スタイルを見直す方が増えています。
それに伴い、公営・民営問わず多くの霊園が注目されていますが、一方で霊園をめぐるトラブル相談も少なくありません。
今回は、実際に起こっている霊園トラブルの事例と、その予防策をご紹介します。
目次
■ 実際に多い霊園トラブルの事例
1. 契約内容と現実が違う!
「宗派不問」とうたっていたのに、実は特定のお寺しか入れなかった…。
永代供養と聞いていたのに、あとから毎年の供養料を請求された…。
このように、広告や説明と契約内容が食い違っていたという声は非常に多くあります。
2. 管理がずさんでお墓が荒れていた
せっかく立てたお墓が、雑草だらけでゴミも散乱。
霊園に連絡しても誰も出ない…。
こうした管理体制の不備も、契約後に判明するケースが後を絶ちません。
3. 後から追加費用を請求された
納骨や法事のたびに「別料金です」と言われ、予定外の出費が続くことも。
「契約の時に説明されていなかったのに…」とトラブルになることがあります。
4. 親族との相続トラブルに発展
墓地の「使用権」は相続対象ですが、名義変更の手続きが複雑で揉めごとの原因に。
改葬や墓じまいの際にも、管理者の協力が得られず苦労することがあります。
5. 無縁墓として撤去されていた
遠方で長年行けなかった実家のお墓が、知らぬ間に撤去され、他の遺骨と合祀されていた…。
これは「無縁墓」と判断された場合に実際に起きることです。
6. 霊園へのアクセスが不便に
契約当初は便利だったのに、バス路線が廃止されて通いづらくなったり、周辺環境の変化で通うのが怖い場所になってしまったりするケースも。
7. 経営母体が倒産してしまった
特に民間霊園では、運営法人が経営難に陥り、管理放棄や連絡不能になるリスクも現実にあります。
「安心して任せていたのに…」という事態にならないよう注意が必要です。
■ トラブルを防ぐためのチェックポイント
契約前に、以下の点をしっかり確認しておきましょう。
チェック項目 | 確認ポイント |
---|---|
管理体制は明確か? | 管理者の所在地・連絡先・管理内容を確認 |
契約内容は書面で説明されたか? | 口頭だけでなく、契約書や約款を必ず読む |
年間費用や供養料の明細は? | 将来的な費用負担を明確にしておく |
宗教条件はあるか? | 外部僧侶や無宗教式に制限がないか確認 |
実際の環境を見たか? | 霊園の清掃状況・雰囲気・交通アクセスなど |
■ まとめ:安心できる「終の住処」のために
霊園選びは、家族や自分の将来にかかわる大切な決断です。
見た目や立地だけで判断せず、管理体制・契約内容・将来の見通しまでしっかり確認しておくことで、後悔やトラブルを防ぐことができます。
パンフレットや営業トークだけで判断せず、冷静な視点で「本当に信頼できる霊園か?」を見極めましょう。